親子で楽しめるイベント「七夕」。
楽しんだあとは後片付けが待っていますが、笹の葉や短冊の処分方法ってどうしていますか?
川に流したり、あるいは燃やしたりと様々な情報がありますが、正しいのは一体何なのでしょうか?
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七夕の笹の葉や短冊の正しい処分方法
七夕で使った笹の葉や短冊。
その由来から見る正しい処分方法とはいったい何なのでしょうか?
元々は川に流すのが正解
以前の記事で七夕で短冊を飾ることになった由来についてご紹介しましたが、奈良時代に日本に伝わった七夕は時代とともに少しずつそのあり方を変え、江戸時代には捧げ物とともに願い事を短冊を飾り付ける風習へと変わりました。
その江戸時代の風習としては、汚れを祓う清めの行事という一面を持つことから、笹の葉や願い事を書いた短冊を川に流すことが正しい姿だったようです。
「川で身を清める」という行為は、日本のみならず世界中で見られる行為です。
キリスト教圏のヨーロッパやロシアなどでも未だに川で身を清める風習がありますし、ガンジス川では日常的に沐浴に入りますよね。
日本においては、けがれを物に移すという風習がたびたび見られます。
五節句の一つである桃の節句でも、「流しびな」といってひな人形にけがれを写し、川に流すことで身を清める効果があるとされていました。
「灯籠流し」は死者の魂を海に帰すという儀式的なものですが、これもある意味では発想は似ていると思います。
実は、こういった川を使ってけがれを祓うという行事はたくさんあるんです。
国土交通省のホームページで紹介されているものだけでも、
3月:流し雛
6月:名(夏)越の祓、 川裾祭
7月:虫送り、七夕
8月:精霊流し、灯籠流し、川施餓鬼
9月:放生会
12月: 川浸り
これくらいあるんですね。
これらは当然、現代でも続いている行事です。
つまり、国土交通省公認で、七夕では川に流す行為をするのが正しい、というわけですね。
ただし、笹の葉や短冊だけでなく人形を流したり、川や海で水浴することも載せられていますから、そういった身の清め方も正しい姿なのでしょうね。
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燃やす処分方法
さて、川に流すのが正しい処分方法なのだとすれば、燃やすというのは間違った方法なのでしょうか。
これは学問的なものとして考えれば確かに正しくはないのかもしれませんが、七夕の意味を考えれば決してルールから逸脱しているとは言えないのです。
処分方法=身を清める方法ということですから、最後に清めるのが大事なのですね。
その観点からいけば、燃やすというのは清めの方法としてはスタンダードな方法と言えます。
お炊き上げなんかも、その代表ですよね。
神社が代表して燃やすことで、清めて浄化するという性質があります。
この「燃やす」という行為も、世界的に見れば清めの方法としてはスタンダードなものです。
ネイティブアメリカンはセージの葉を燃やして場を清めるといいます。
キリスト教の聖燭祭でもクリスマスツリーを燃やす風習があります。
ヒンドゥー教においても荼毘に付しますね。
「燃やす」という行為と環境問題
もう1つ、「燃やす」という行為が清めの方法として現代に適している理由があります。
それは、環境問題です。
この時代に、川に笹の葉だけならともかく、短冊まで流すことを許す自治体というのはもうほとんどないのではないでしょうか。
下流にネットを張って回収するならまだいいと思いますが、そのまま海まで・・・となると、さすがにその自治体に対する批判も避けられないものになるでしょうし、自治体単位でやる七夕祭りならまだしも、個人が川に流すというのは条例違反とかそういうものに繋がりかねません。
とはいえ、燃やすのもまた、現代社会では難しいかもしれません。
自分の家の庭で燃やすのは個人の自由だろう、とか思っていませんか?
実は、自治体によっては「野焼き」を禁止する条例があるんです。
「野焼き」の定義はやや微妙ですが、条例で禁止される場合は「野外における焼却処分」と見なされる場合です。
この場合、社会通念上の慣習としてやむを得ないというときは認められる場合はありますが、かなり厳しく言われることを覚悟した方がいいかもしれません。
例え自治体の環境を司っている部署からOKもらっても、近隣の人が「火事だ」として消防へ通報する場合があります。
そうなると消防車が来てしまうことになるのですが、消防のほうも事前に届けをしておくことでこの問題をクリアすることができる場合があります。
とはいえ、結局近隣の人とトラブルになる可能性があることは念頭に置いておいた方がいいでしょう。
こういったリスクをクリアするためには、神社などのお炊き上げに出すことです。
ただし、個人でお願いする場合は有料となることが多いと思いますのでご注意ください。
最後の手段は白い紙
川に流すのもダメ、個人で燃やすのもダメ、でもお金を払うのもちょっとヤダ。
こうなると、最後の手段として「白い紙に包む」という方法があります。
昔から白い紙には浄化する力があると言われており、笹の葉と短冊ををこれに包むことで清めることができます。
昔から白い紙に包むことは「清め包み」と言われ、けがれを祓う効果があるんですね。
単にゴミに出してしまうというのもちょっとアレですから、比較的お手軽な方法として覚えておきましょう。
以上「七夕の笹の葉や短冊の正しい処分方法は流す?それとも燃やす?」でお送りしました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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