健康・病気

人工ミルクは危険?種類やカロリー、成分などはどうなっているの?

人工ミルク

国連が人工ミルクの販売促進法の厳格化を求めるニュースがありました。
このことが本当に日本においても採用されれば、親にも赤ちゃんにもかなりの変化あります。
何やら人工ミルクはよくない、というようなニュースですが、そもそも人工ミルクにはいったいどんな種類があり、そのカロリーや成分はどのようなものなのでしょうか。
また、このニュースを見た人たちの反応とは?

 

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人工ミルク(粉ミルク)の種類ってどんなものがあるの?

人工ミルクとは、一般的に言えば粉ミルクのこと。
特に、赤ちゃん用に母乳の成分に近い成分に作ってあるものを言いますよね。
パパにお使いで「粉ミルク買ってきて」と言ってコーヒー用のクリープを買ってくる人はまずいないでしょう。

でも単に「粉ミルク買ってきて」と言われても、実際にお店にいくと、色々な種類の粉ミルクがあっていったどれを買って良いのかわからなくなることがありますよね。
人工ミルク(粉ミルク)の種類にはいったいどんなものがあるのでしょうか。
ここでは商品としての種類ではなく、人工ミルク(粉ミルク)の分類上の種類について述べていきます。

①育児用粉ミルク

まだ母乳で育つ時期の赤ちゃんが飲むための粉ミルクです。
単に粉ミルクというと、これをイメージして言う人が多いでしょう。
限りなくその成分を母乳に近づけて、元々は何らかの事情で母乳を飲めない赤ちゃん用に開発された歴史を持っています。
現代社会では女性の社会進出などにより活躍の場面が増えていますが、その反面で母乳だけで赤ちゃんを育てること(いわゆる完全母乳)のメリットが強調され、その使用については賛否両論があります。

②ペプチドミルク(新生児アレルギー予防用粉ミルク)

広い意味ではペプチドミルクは育児用ミルクに一種として分類されるものですが、アレルギー予防用粉ミルクという明確な目的をもって使用されるためにここでは分けて考えます。

上述の育児用粉ミルクは牛乳から作られています。
母乳と牛乳ではタンパク質の成分が異なるため、赤ちゃんの体はこれを異物と判断して免疫反応が起きてしまう場合があるんです。
これがひどくなるとアレルギーとなって発疹が出たり嘔吐したりしてしまいます。
つまり、粉ミルクによって牛乳アレルギーになってしまうわけですね。

これを予防するために作られたのがペプチドミルクです。
牛乳のタンパク質を加水分解することによって抗体があまりできないように作ってあるんです。
ここで気をつけたいのは、あくまでもアレルギー予防用粉ミルクである、ということ。
すでに牛乳アレルギーとなってしまっている赤ちゃんには、後述のアレルギー疾患用粉ミルクが必要となります。

使い方としては、生まれたてのときはペプチドミルク、途中で育児用粉ミルクに切り替える、といった使い方が一般的のようです。

ペプチドミルクはいつまで使う?

ペプチドミルクを途中で切り替える、といっても、いったいいつまで使っていつから切り替えればいいのか、ということは悩ましいところですよね。
というのも、ペプチドミルクの方が高いから。

この手の質問はしばしばネット掲示板などに上がっているようですが、ショップ店員や医師によっても見解は違うそうですし、最後には「自己責任で」と言われて結局困ってしまうようです。
回答者の意見も様々ですが、生後3ヶ月~6ヶ月頃の間に切り替える人が多いようです。
中には2年間完全にペプチドミルク、という人も。

ただし、切り替えた日からいつもの量を育児用粉ミルクで、というのではなく、ある程度の少量ずつ徐々に切り替えていく、というのもひとつの手ではないでしょうか。

例えば、生後3ヶ月頃から切り替えていくなら、いつも飲むミルクの量の10分の1を育児用粉ミルクで、残りをペプチドミルクであげて、次の日は10分の2を・・・と徐々に増やし、10日間くらいかけてアレルギー反応が出ないようなら完全に育児用粉ミルクに変えていくのです。
このように、アレルゲンに対して0%か100%かではなく、アレルギー反応を起こす量を見極めて慣らしていく、というのはアレルギー療法によくある手法の一つです。

③フォローアップミルク(満9ヶ月〜3歳児向け粉ミルク)

赤ちゃんの食事のメインが人工ミルクから離乳食や幼児食へと切り替わった時期に、通常の食事では不足しがちな鉄分やDHA、ビタミン、葉酸などを補う目的で使用する人工ミルクです。
赤ちゃん用のサプリメントというような位置づけでしょうか。

上述のような人工ミルクに比べて通常の食事に近い成分や栄養が含まれています。
通常の食事で必要な栄養素を十分に摂取できている場合には飲む必要はありませんが、必要な栄養素を無理に食べさせるくらいならどんどん飲ませてもいいと思います。
私の子供は非常に良く食べる子供だったので使いませんでしたが。

④アレルギー疾患用粉ミルク

ペプチドミルクがアレルギー予防用粉ミルクであるのに対して、こちらはアレルギー疾患用粉ミルク、つまり、すでにアレルギー反応が出ている子供に対して飲ませるものです。
牛乳アレルギーだけでなく、大豆や卵アレルギーを持つ赤ちゃんにも有効なものもあります。
ただし、通常の育児用粉ミルクでアレルギー反応が出たからアレルギー疾患用粉ミルクを・・・と安易に判断せず、必ず医師の診断を受けましょう。
アレルギーチェックは科学的に行われるべきものです。

 

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人工ミルクのカロリー

人工ミルクのカロリーは母乳に比べてどうなんだろう、という疑問を持つ人は多いようです。
赤ちゃんって基本的にプニッとしてますし、人工ミルクは母乳と違って出づらいとかがなくゴクゴクと飲みたいだけ飲めますから、その分心配になる親も多いようです。

しかし、粉ミルクはカロリーも母乳に近づけているため、どの製品も母乳とほぼ同等のカロリーを持っています。
その数値としては、100ml当たり65~68kcalといったところです。

また、人工ミルク(粉ミルク)の飲む量として目安というのはありません。
母乳にしろ人工ミルクにしろ、赤ちゃんが飲みたいだけ飲ませて問題ない、というのは一般的な見解のようです。

人工ミルクの成分

人工ミルクの成分は、どの製品も母乳に近づけてあります。
このため、どの栄養素も母乳を上回るように作ってあります。
栄養素だけで見れば完全母乳よりも人工ミルクの方が栄養豊富なんですね。
人工ミルクの成分比較はしばしば色々なサイトによって為されますが、基本的には成分の違いによる飲むべき人工ミルク、というものはないと思います。
あまり聞いたこともないようなメーカーのものはやめたほうがいいと思いますが、amazonのランキングに登場するようなものであればどれを選んでも問題ありません。
ただし、赤ちゃんによっては飲むミルク、飲まないミルクもある場合がありますから、最初からあまりまとめ買いしないようがいいと思います。
amazon 粉ミルクランキング

人工ミルク販売促進法の厳格化

生まれたての赤ちゃんはまだまだ消化器も歯も未発達なので、一般的にはお母さんの母乳で育ちますよね。
これは人間だけでなく、ほ乳類そのものの生物学上の定義でもあります。

しかし、人間は原料となる生乳の成分を人工的に除去することで粉末化したミルクの開発に成功しました。
このことにより、何らかの事情で母乳を飲むことができない赤ちゃんの生存率は飛躍的に上昇し多くの赤ちゃんの命を助けた、まさに救世主ともいうべき存在です。

その一方で、国連では人工ミルクの利用が拡大されていることについて警鐘をならしています。
そして、その販売促進に関する法律を厳格化すべきだ、とまで言っているのです。
元々、WHOでは生後半年は完全母乳による育児を推奨しており、離乳食が始まった後も2歳までは母乳を与えることによって健康が増進されると発信してきました。
これは、赤ちゃんだけでなくママにとっても乳がんや卵巣癌のリスクが減少するという研究結果に基づくものです。
しかし、このようなWHOの見解に関わらず、生後半年まで完全母乳で育つ赤ちゃんは3人に1人程度で、この割合は20年間変わっていません。

ネットで見られる親の立場からの反応

この国連の発信したニュースに対する親、特に母親の皆さんの反応は否定的のようです。

楽するためにあげてるワケじゃない!という人たちから反感をかってしまったようですね。
これはWHOの見解なので、全世界的に見たときの結論だけが述べられているに過ぎません。
もちろんこのような発表をする前に先進国と発展途上国それぞれの人工ミルクのあり方も検討はされていると思います。

その中では、おそらく「母乳をあげたいが忙しくてあげられない」とか「楽だから」といった理由で人工ミルクが使用されるケースというのは確実に増えているのでしょう。
働くママさんから「じゃあもっと母乳で育てられるような社会にしてよ」という意見が出るのも当然で、このような研究結果があるならばそのための社会を作っていくよう各国に勧告するのが国連の重要な仕事の一つでしょう。
今回のニュースは、そのために販売を規制すべき、という方向性が示されたために「それはちょっと違うんじゃないの?」という反応に繋がってしまいましたね。

今回のニュースは国民一人一人が努力してどうこう、といったものではありませんので、それほど気にする必要はないと思います。
ただ、母乳の方が赤ちゃんにとっても母親にとってもリスクが低くなる、という研究結果があることは改めて覚えておいたらいいかな、と思います。

以上「人工ミルクは危険?種類やカロリー、成分などはどうなっているの?」でお送りしました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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