夏の土用の丑の日といえばよくウナギを食べますよね。
我が家でも行事ものなのでウナギを食べるようにしているのですが、それ以外に土用の丑の日を特に感じたことはありません。
「土用の丑の日ってなに?」と子供に聞かれたところ、「ウナギを食べる日・・・」と言いかけましたが、本当にそうなのでしょうか。
土用の丑の日とはそもそもどのような意味があるのか。
調べてみると、その期間などは干支や十二支の他にも、五行思想との密接な関係があったんです。
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土用の丑の日とは
土用の丑の日とは何なのか。
それを知るにはそもそも土用とはなんなのかを知る必要があります。
土用とは
古来から、中国では五行思想というものがありました。
これは、世の中のもの(万物)はなんでも木・火・土・金・水の5種類の要素にからなる、という考え方です。
この五行思想は当然季節にも割り当てられました。
しかし、季節は通常四季というだけあって、4つしかありません。
そこで、余った1つである「土」には「季節の変わり目」という要素を割り当てたんです。
五行 | 季節 |
木 | 春 |
火 | 夏 |
金 | 秋 |
水 | 冬 |
土 | 季節の変わり目=土用 |
いささか無理矢理な気がしますが、こうして季節の変わり目として割り当てられたのが「土」が割り当てられたことから、この期間を
土旺用事
あるいは
短縮して
土用
と呼ぶようになりました。
土曜の期間
季節の変わり目といっても、一般的な感覚ではいつから春でいつから夏なのか、あまり意識しませんよね。
しかし、暦の上では決まっているんです。
この季節の始まりを四立(しりゅう)といいます。
季節 | 四立 | 日付 |
春 | 立春 | 2月3日、4日、5日頃 |
夏 | 立夏 | 5月5日、6日頃 |
秋 | 立秋 | 8月7日、8日頃 |
冬 | 立冬 | 11月7日、8日頃 |
この四立の直前18日間または19日間を土用と呼び、初日を土用入り、最終日を土用明けといいます。
また、最終日は四立の前日となるので、「節分」ともいいますね。
節分は一般的には立春の前日を指して言われますが、本来は春だけでなくそれぞれの季節の始まりの日の前日を言うのです。
なぜ18日間だったり19日間だったりするのかは、カレンダーを見て決めているのではなく、太陽の位置を観測することによって決めているからなんです。
このため、微妙に日付がズレることになるのです。
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十二支と干支と六十干支(ろくじっかんし)の丑の日
このように決まる土用の期間ですが、土用の丑の日とはいったい何なのでしょうか。
実は、土用の期間に関係なく、古来では暦を表すために十干十二支、つまり、干支の組み合わせを使っていたんです。
これだと10×12=120通りの組み合わせがあるような気がしますが、実際にはその半分の60までしかなく、六十干支(ろくじっかんし)と言われます。
このうち、十二支の部分が「丑」である日が5日ありますね。
つまり、60日周期のうち、12日に1回「丑の日」があるんです。
1 甲子 |
2 乙丑 |
3 丙寅 |
4 丁卯 |
5 戊辰 |
6 己巳 |
7 庚午 |
8 辛未 |
9 壬申 |
10 癸酉 |
11 甲戌 |
12 乙亥 |
13 丙子 |
14 丁丑 |
15 戊寅 |
16 己卯 |
17 庚辰 |
18 辛巳 |
19 壬午 |
20 癸未 |
21 甲申 |
22 乙酉 |
23 丙戌 |
24 丁亥 |
25 戊子 |
26 己丑 |
27 庚寅 |
28 辛卯 |
29 壬辰 |
30 癸巳 |
31 甲午 |
32 乙未 |
33 丙申 |
34 丁酉 |
35 戊戌 |
36 己亥 |
37 庚子 |
38 辛丑 |
39 壬寅 |
40 癸卯 |
41 甲辰 |
42 乙巳 |
43 丙午 |
44 丁未 |
45 戊申 |
46 己酉 |
47 庚戌 |
48 辛亥 |
49 壬子 |
50 癸丑 |
51 甲寅 |
52 乙卯 |
53 丙辰 |
54 丁巳 |
55 戊午 |
56 己未 |
57 庚申 |
58 辛酉 |
59 壬戌 |
60 癸亥 |
このように、365日すべての日をこの六十干支(ろくじっかんし)で表現することができますし、そういうカレンダーもあります。
このように暦を読んでいくと、土用の丑の日とは、土用の期間のうち十二支が丑の日を呼ぶんですね。
また、土曜の期間が18日間ないし19日間あるため、12日周期で「丑の日」が2回くる年もあります。
このような場合、初日を「一の丑」、二日目を「二の丑」と呼び、このどちらも土用の丑の日となります。
ちなみに、この六十干支は結構重要な暦の読み方で、有名なところでは
・戊辰戦争
・辛亥革命
・壬申の乱
などがあります。
また、現代でも、酉の月の11月に行われるお祭りである酉の市なんかでも
・一の酉
・二の酉
・三の酉
などと言われますよね。
このように、現代のおいては日常生活の中では身近には感じにくい干支や十二支による暦ですが、昔からある行事などではその意味がわかるとちょっと身近に感じることができると思います。
私たち、親の世代でもすでに意味が分からない人の方が多いでしょう。
私自信も今までよくわかっていませんでした。
今後はしっかり行事の意味も含めて子供に伝えていきたいですね。
以上「土用の丑の日とは 期間と干支や十二支との関係」でお送りしました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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