「うるう年」ならぬ、「うるう秒」って聞いたことがありますか?
「うるう秒」とはおよそ1年半に1回、とある時間を調整するために挿入される1秒を言います。
大抵の人には関係ないと言えば関係ないのですが、その影響や障害は、実は多くの人が受ける可能性があるというのです。
次の「うるう秒」のタイミングは2017年の元旦といいますが、一体どういう琴なのでしょうか。
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うるう秒(閏秒)とは
うるう年(閏年)は、多くの人がよく聞くと思います。
4年に1度、2月29日を設けて、一年が366日になる年ですね。
この2月29日のことを、うるう日(閏日)と言います。
他にも、旧暦である太陰暦では、うるう月(閏月)という一月まるまる挿入するということもありました。
このように、「うるう(閏)」という言葉には、挿入することによって、実際の季節と暦を調整する意味があります。
そして、突き詰めていけば、秒で挿入することが一番誤差がないのですね。
普通の人間が生活していくうえでは、「1秒」のずれというのは大して気にする必要がないと思います。
時計も見ずに、
「あれ?今年の日没って、昨年の同日の日没に比べて1秒遅い気がしない?」
とか言い出す人は、まずいないでしょう。
しかし、世界的にコンピューターで見たときには、体感的なものではなく、時刻合わせしている時刻そのものが狂っていくことは、大きな違いとなります。
そもそも暦の作り方が正確ではない
このような言い方は誤解を招くかもしれませんが、この問題は暦そのものの作り方が不完全であることに由来するのではないかと思います。
人はそもそも、どのようにして「今がいつなのか」を知るのでしょうか。
今の人なら「時計を見ればわかるだろう」と言うのでしょうが、時計は時間を知らなければ作ることはできません。
もっとも身近な時間の概念は、地球の自転による「1日」です。
おそらく時計も持たずに無人島に放り出されれば、人はまず日の出~日の出で1日たったことを知るでしょう。
次に、日時計などにより時間を知るのではないでしょうか。
途中を端折りますが、今の我々は「1日は24時間で、1時間は60分、1分が60秒、つまり1日は86400秒」ということを知っています。
しかし、時間や暦が生まれた経緯から考えると、「1日」という単位から逆に「1秒」という単位が生み出されました。
こうすることで時計を作ることが可能となり「今が何時何分何秒なのか」を知ることができます。
ただし、地球は球体で自転しているため、時計というのは「地球のどこにいるか」によってずれてしまいます。
このため、「地球全体では今何時か」ということを決める必要が出てきてしまいました。
国際社会の中では、この問題に対応するため、協定世界時(UTC)というものを生み出されました。
その中でも、現在はUT1という種類のものを採用しています。
ところが近年になって、原子時計という、より正確な時計が生み出されました。
これにより、「1秒」の時間が定義されました。
これによって刻まれる暦が国際原子時です。
ここから測ってみると、1日というのは正確に86400秒ではありません。
これによって、協定世界時と国際原子時にほんの少し(ミリ秒程度)の時差が生まれてしまいました。
この誤差を、±0.9秒以内に抑える 、という 基準とタイミングで、うるう秒が追加、または 差し引かれることによって調整しているのです。
この調整は、およそ1年半ごとに訪れることになります。
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過去のうるう秒の挿入日
現在の基準は1972年以来から変わらず、40年以上の間に26回のうるう秒の挿入がありました。
いずれも、うるう秒 を1 秒追加する、という手法で調整されています。
挿入のタイミングとしては、6月30日が 11回、12月31日が15回となっています。
次回は2016年の12月31日 が予定されています。
2017年の元旦に実施する理由と原因
さて、上述のとおり、2016年12月31日にうるう秒が追加されますが、日本時間では時差の関係で、2017年1月1日、つまり元旦に実施されることになります。
これは、追加される時間が 協定世界時(UTC)と日本時間との差が9時間ある(日本が9時間早い)ことが原因となっています。
日本時間を協定世界時で表すと「UTC+9」と表現します。
なので、うるう秒が追加されるのが元旦の9時で、システムエンジニアの方々が困っている、とニュースになっていますが、世界時では12月31日23時59分60秒なんですね。
コンピューターへの影響や障害とは
しかし、「うるう秒」がシステムエンジニア泣かせと言われるのは、一体どのような理由なのでしょうか。
基本的にありえない時刻が挿入されると、サーバー上で動いている各種のプログラムが異常な動作をし始め、障害となることがあります。
これにより、サーバーに高負荷がかかり、世界中でインターネットを使用したサービスに重大な影響をありました。
そして、この影響の解消はシステムエンジニアの手にかかっているからなのです。
少し古い話ですが、「2000年問題」という社会的問題が懸念されたときがありましたよね。
コンピューターやプログラムは、本来予定していなかったエラーによって重大な影響を受ける可能性があるのです。
もしかすると、2017年の元旦は、インターネット上のサーバーダウンなどが頻発するかもしれません。
そして、もしこれが解消されたなら、正月を返上してがんばってくれたシステムエンジニアさんのおかげなのかな、と心に留めておいてあげましょうね。
最近はシステムエンジニアは人気職ですから、子供たちにシステムエンジニアの重要さと大変さを教えてあげるいい機会かもしれませんよ。
以上「うるう秒とは?2017年元旦のコンピューターに影響・障害が?」でお送りしました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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