夏休みに限らず休みの時期は子供の「どっか連れてって!」攻撃が始まる時期ですね。
時には泊まりで家族皆で旅館やホテルへ行くときもあるでしょう。
ところで、そんなときに旅館だと仲居さんが色々とサービスやお手伝いをしてくれますが、チップ(心付け)って必要なのでしょうか?
また、渡すとしたら、相場はいくらなのか、タイミングはいつがいいのか。
調べてみると、チップの世界にも学ぶべきマナーがあることがわかりました。
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目次
旅館でチップ(心付け)は必要?
旅館でチップ、心付けとも言いますが、そういったものは必要なのでしょうか。
先に結論から言えば、基本的にはチップ(心付け)は必要ないと思います。
チップ(心付け)がいらない理由①日本だから
私がチップ(心付け)は基本的には必要ないと思う理由は、旅館があるのは日本で、仲居さんも日本人だからです。
チップ(心付け)って基本的には日本ではありませんよね。
「なぜ日本にはチップがないのか」というのは、しばしば議論になったりもしますが、日本人の気質とも言うべきものなのでしょう。
日本人的な経営感覚そのものがその気質を作っているとも言えないことはない気がしますが。
海外の(というよりは、アメリカをイメージしますが)経営者の経営感覚は日本人とちょっと違っていて、ウェイトレスなどには「チップを稼ぐ場所を与えている」という感覚すらあるといいます。
まさにチップという制度前提の社会というわけですね。
これに比較して、日本人の経営感覚は従業員も家族としてとらわれることが多く、お客さまからは最初からサービス料を頂戴し従業員の給料を厚くしている、というところがあると思います。
従業員のほうも、「はい、これチップ」と言われて素直に「ありがとうございます」と受け取れる感覚を持った人は少ないでしょう。
それは、普段から自分が客になった場合もチップなど渡していないからです。
ただし、旅館は少々特殊で、日本での伝統的な仕事でありながら、ちょっと海外のウェイトレス的な扱いを受けてきた地方もあるようです。
このため、仲居さんの給料補填という意味が根付いている地方もあり、慣習的にチップ(心付け)を渡す人(特にご年配の方が多い)もいるようです。
チップ(心付け)がいらない理由②料金にサービス料が入っているから
すでに上述してしまいましたが、宿泊料金の明細を見てみると「サービス料」という項目があります。(明記されていない場合もあります。)
旅館で仲居さんがサービスするのは、基本的な料金にすでに含まれているからだ、という理解ですね。
このサービスというのはどこからどこまで、ということまでが明細としてあるわけではありません。
例えば
布団の上げ下ろし料 500円
食事のお運び料 300円
合計 サービス料800円
なんてわけないですよね。
旅館にいる限り、従業員一同心をつくしてお客さまにサービスします、という料金がサービス料という形での請求に繋がっているのです。
なので、特別にチップ(心付け)を支払う必要はない、という理論なんですね。
ただし、旅館の場合は仲居さんとその担当のお客さんの繋がりが他の営業形態に比べて強いんです。
飲食店なら、誰が料理を運んでくるかは別に決まっていませんが、旅館の仲居さんはそのお部屋のお客さんのすべてを担当しているからです。
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チップ(心付け)が必要な場合①迷惑料として
旅館ではチップ(心付け)は基本的には必要ない、と結論づけましたが、逆に必要な場合とはどんな場合なのでしょうか。
これも先に言いますが、必要な場合などありません、が、渡しておくといい場合もあります。
それは、小さな子供がいる場合、介護が必要な人が同伴している場合など、あらかじめ旅館や他のお客さんに迷惑をかけてしまうことが予測される場合です。
つまり、サービス料というよりも未来予測したうえでの迷惑料というわけですね。
子供がうるさくしたりして他の宿泊客に迷惑をかけた場合、こちらに直接怒鳴り込まれることはないでしょう。
ほとんどの場合は仲居さんや女将さんのところに苦情としていき、代わりに謝ってくれます。
他にもおねしょしたり、食べ物をこぼしたりと。
こういった後始末をしてくれる仲居さんにあらかじめ渡しておいた方が、利用する側として少しは申し訳なさがなくなりますからね。
ただ、弁償費用が発生したものについては、チップ(心付け)とは別に支払ってください。
チップ(心付け)が必要な場合②見栄のため
ある程度の上流階級?で育った人などは、感覚的に「チップ(心付け)を支払わないなんて客として恥ずかしい」という感覚を持ち合わせた人もいます。
マナーとしての感覚ですね。
残念ながら、相手の経営者を含めて日本人に共通した感覚とは思えませんが、マナーというのはある程度の層によって異なります。
年齢層であったり、収入による層ですね。
これによって宿泊する旅館の層にも差が出ます。
一泊10万円を超えるような高級旅館では、お客さんも海外生活が長い人も多く、気軽にスマートにチップを渡していく人の割合が多くなります。
そういう場では、チップを渡さない客と見られること自体が恥ずかしいといった感覚になってしまうのは確かでしょう。
「見栄のため」としか言いようがありませんが、こういった場ではこのような意味でのチップ(心付け)が必要になる場合もあります。
旅館でチップ(心付け)を渡すときの相場
仲居さんにチップ(心付け)を渡す場合の相場は、一般的には1,000円、2,000円、3,000円、5,000円の場合が多いです。
これは部屋の宿泊人数によって決めるといいでしょう。
一般的な庶民的な旅館では相場が一万円にもなることはほぼないはずです。
一泊10万円を超える高級旅館では、見栄のために渡すとはいえチップ(心付け)の額が低すぎるとかえって恥ずかしい思いをしますから、仲居さんに渡すなら一万円以上となるでしょう。
宿泊人数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人以上 |
チップ(心付け)の相場 | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 5,000円 |
チップ(心付け)を渡すタイミング
事前の迷惑料として渡すのであれば、部屋について仲居さんと最初にコンタクトがあったときが望ましいと思います。
「小さい子もおり、何かとご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。」といった風に渡すといいでしょう。
中には固辞される仲居さん(というか旅館の教育によるものだと思いますが)もいらっしゃいます。
この場合は無理にはお渡しする必要はないと思いますが、案の定子供がご迷惑をおかけした場合は迷惑料として後で差し出すといいでしょう。
とはいえ、日本人の心構えとして二度は断るのが礼儀、というのもありますから、「そう仰らずに」と少しは粘るのもある意味マナーです。
チップ(心付け)の渡し方(包み方)
位置づけはチップですが、日本では心付けという意味で贈りますから、理想はポチ袋に入れて渡すことです。
海外のようにポケットからクシャクシャの千円札を渡されたりすると、かえって「バカにしているのか」と思われかねません。
仲居さんのことを滞在中お世話になる一人の人間と捉えて、失礼のないように渡してください。
まとめ
子供をつれていくと何かとご迷惑をおかけする旅館の仲居さん。
原則必要というわけではありませんが、気兼ねなく旅行を楽しむためにも、チップ(心付け)をお渡しするほうがいい場合もあります。
渡すのなら相場やタイミングなどをしっかりと事前勉強して、失礼のないようにしましょうね。
以上「旅館でチップ(心付け)は必要?渡すときの相場やタイミングについて」でお送りしました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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